雪を見た、痩せた私とママ友と夏が蘇る

雪を見た、痩せた私とママ友と夏が蘇る

ふと窓を見ると空から雪が

舞い落ちており、いそいそココアを作ってベランダで鑑賞した、本日の寒い午後。

ふと関係ないことを思い出しました。

2012年春、私は2回手術をした。(よろしければこちらをご覧ください病歴についてご紹介

2度目の手術の退院は7月、今後抗がん剤をどうするか、これについて考えなくてはならず、心配事は山盛りで、自分の見た目を気にする余裕はなかった。

食が細くなっていた。

たくさん食べると傷口が開きそうで怖くて(汗)。手術をして終わりな訳ではなく、情報を求めパソコンに張り付いていたのもある。元々キーボードに食べ物が挟まるのが嫌なので、PC周辺で食さない派だから。

毎年8月に、お子の学校で夏祭りがあってね、私は自分が「がん」だと、夫以外誰にも告げていないのでママ友達は当然知らない。

これは母に言われたからではなく、私が絶対言いたくなかったの。

ママ友は「以前の私」だから。

逼迫した不安ではない不安を、みんなであーだこーだ話していた過去の私だから。

附属高校の方が大学楽かなぁやら、成人式のレンタルって早くなってるらしいよ?とか、結婚して孫とか出来たら可愛いんだろうね♪とかね。

自分の寿命なんて微塵も考えず、心配はお子の成長や、成績や、教育費に、住宅ローン返済。

そう3月までの私の姿。正直、命がけの悩みではない。

だからママ友に黙っていた、

入院中も、普通にLINEやSMSの返信をして、ふふふ♪私入院なんてしてませぬよ、と皮をかぶって。

その方が私が楽だから。

深刻そうにされても、泣いて励まされても、良いとされるお茶なんて貰おうものなら、私の方が泣けてしまうのがわかっているから。

実際、父は「杉のなんちゃら」という、副作用の無い抗がん剤なる治療本を渡してきたし、

母はお茶にサプリにジュースと、ありとあらゆる「がんに良い」とされる、自然療法を見つけては勧めてくる。

心配はありがたい、

しかし私はするなら「標準治療から」と決めている、そう何度言っても両親には伝わらず…、まぁご想像通り。

それならリンツの丸いちょっこれいとを一粒をくれる方がよっぽど嬉しかった。

だから自分で探していた。何が正しいのか、何を優先すべきかを。

だからね、中皮腫以外もいっぱい調べた、がんについて知るために。

そんなこんなで、PCに張り付き、傷口は気になるし、で気がついたら8キロ程痩せていたみたいだった。

正直気がつかなかった。

病院はずっとパジャマだし、家でも似たような装備だし、季節は夏だから軽装で。

でねタイトルに戻るの。

お子と夏祭りに参加したの。

みんながびっくりしてね、痩せたね!と。

その後に続く言葉は、①いいなダイエット?②病気?のどちらかだった。どちらかと言うと②多め。

今でもそうだけど、痩せた人に「痩せた?病気なの?」と聞く人が意外にいるので、横にいる私は肝が冷える。

本当に大病の場合もあるから、ライザップ?みたいなテンションで気軽に聞くものではないのだ君たちよ、と思う。

まぁ3ヶ月で8キロ落ちるって

そういうものなんだね。

どうりでワンピースのフレア部分が可愛く揺れるわけだ(笑)。

家に帰って、冷静に自分の姿を見て「本当だ、随分と痩せたんだね私」と、頑張った自分に涙した、夏の思い出。

好きでがん患者になった訳じゃないんだもん(涙)。

やっぱりあの日もそう思ったんだよ私。

by中皮腫患者mochi