がんとフラバと「感情の棚」という考え方
- 2020.11.22
- がんと向き合う
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悪性腹膜中皮腫と複雑性PTSDと
ここ数日、やるせない寂しさと向き合っていた。
私は悪性腹膜中皮腫と複雑性PTSDを抱えている。この複雑性PTSDもなかなかに厄介で、音や匂いや景色など、何気ない事がきっかけで「過去に受けた心の傷」の「痛み」がよみがえる。そう、フラッシュバックというやつだ。
対処の方法はわかっているつもり。
辛い、悲しい、不安、寂しい、やるせない気持ちは何をどうしたって「やるせない」。だから私は私の心に耳を傾け、大丈夫、大丈夫だよ、と私が安心するまでゆっくり話を聞くのだ。
複雑性PTSDに気がついたきっかけは
両親に絶縁を告げた時。
けれど、がんの告知やがん細胞を抱え生きる人生。がんとわかり実家と縁を切る事を決意した私。その度心は深く傷つき、とどめが「絶縁宣言」だったというだけなのだと思う。
がんと告知され、息つく間もなく「患者」となった。しかも希少がん。あの恐怖と絶望の記憶がフラバする時がある。
どうしようもなく悲しくてしゃがみ込む瞬間、あなただけが辛い訳じゃない、そう私に言い聞かせる。
「感情の波」が落ち着くまで、
心が波を乗り切るのを、血が止まり傷が癒えるのを、ひたすら一人待つ。それが私の性に合っている。
感情を伝えようと言葉を紡ぐより、頭の中で何に傷つき、何に痛みを感じているのか、自分の感情を一人振り返る。
私は、感情を種類別に分ける棚を心に置いている。この「痛み」はどの棚?この「寂しさ」はこの棚だ!というように、感情を整理整頓するのだ。
「感情の棚」という考え方が私は好き。
種類がわかると次の手である「浮上」までの工程が見えてきて、必要以上に不安にならずに済むように思えるから。
今回の「感情」は、しっくりくる棚が見つからず途方に暮れてしまった。
本当に心というのは難しいな。上を見れば…下を見れば…と、本当にキリがなくてね。わかってはいるよ、だけど…きつい日はやっぱりきついのだ。
がん患者である私の心情がね、
時々どうしようもなくザワザワと揺れる。中皮腫が体内に残っている怖さなのかな、わかんないや。
わかっているのは、ここまで子どもの成長を見守ることが出来ている「今日」は、とてつもなく有難く、とてつもなく奇跡であって、決してありふれた日常じゃない事。
わかっている、本当にわかっているの。
わかっているけど「叫びそうになる私」が久々顔を出して、消えてくれなかった。既存の棚に「感情」を置いてみたんだけど、その棚じゃしっくりこなくて…
だからね、悩んで考えて出した答えは、
新しい棚を設ける事。わからないけど次また「叫びそうな私」が現れたらこの棚に置いてみようと思う。とりあえずはこれでやってみる。
世の中はあらゆる情報で溢れている
彷徨ったら一度立ち止まるんだ
そのまま進んでしまうと
迷いが増えて心に負荷がかかる
途方に暮れていた私
これから先だって
途方に暮れる事はあるのだろう
迷ったら考える
今までもそうしてきた
へっぴりごしだけど
また進んでみようと思う
がんばるね
by中皮腫患者mochi
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