がん告知。悪性中皮腫の治療選択について

がん告知。悪性中皮腫の治療選択について

悪性腹膜中皮腫の治療選択について

「がん」の治療の選択について、病院について、迷うのは皆同じなのでは?と私は思っているのでその前提でのお話です。

それでも「中皮腫」という希少がんの治療は、迷えるほどの選択がそもそも存在しない。

私が告知を受けた当時は、「アリムタ」が中皮腫に使用できるようになり、中皮腫の新たな治療が増え期待された、そんな時代だった。

私は2012年、手術をしその後「無治療」を選び、追加治療である抗がん剤「シスプラチン+アリムタ」を行わなかった。それは自分でそう決めたから。

手術後セカオピを再び受ける事を決めた

治療の選択=命の選択

だからこそ本当に難しくて怖くて、やはり難しい…

そりゃ「悪い所」を「切除」してもらえるなら、それに越した事はないと思うけれど、私の中皮腫はごまサイズの「つぶつぶ」がぶわっと散らばってて、画像を見た「素人の私」にさえ「取りきれない」だろうなと思う散らばりだったから。

検索すると様々な「先進医療」や「自由診療」も存在するにはする。夫は何箇所か「相談」に行ったと数年後聞いた。まさに藁にもすがる気持ちだったんだと思う。

こんなエピソード一つですら…

家族に癌患者がいること、そして夫の心を想い、こめんね、と泣きたくなる。

私の前では絶対に「前向き」な言葉以外口にしない夫。治療方法の無さと予後を知り、他の手立てを探していてくれたんだな、ありがとうって。

納得するまで検索し、先生に相談し、悩み抜き私が出した答えは「今回は抗がん剤治療を行わない」だった。

私のブログは「がんという病」に対し

様々な考え方、向き合い方があるけれど、その中の一つの意見として参考になれば、と。妻で母で癌患者となった「私のような誰か」へ届いたら嬉しいな、と思って始めた。

子供の寝顔を見て、悲しくて悲しくて「なんで私なの?」と、泣き叫びそうな自分を抑え、この先どうすれば良いのだろうか、と絶望を抱え途方に暮れた、過去の私と同じ思いをしている「あなた」へ、そして過去の「私」に向けて綴っている。

「悪性腹膜中皮腫」の病気に関する情報

治療方法や選択等を求め検索し、このページに辿り着いた方へ。

一番知りたいであろう「治療選択・病院」という具体的な情報をお伝えできなくてごめんなさい。

私が手術をして9年目を生きる「悪性腹膜中皮腫」患者であっても、何一つ治療選択に関してお伝え出来ることがなくて。

なぜ?

長期生存率があまりに低いから。

そして2012年のあの時、先生方は「抗がん剤の追加治療をすべき」とほぼ満場一致の意見でしたので…私の治療選択が「ベスト」だったのか私自身わかってないから。

がんの発生部位、進行具合、年齢、

どれをとっても「同じ」個体は存在しない。だから、

  • 調べて
  • 病院に問い合わせて
  • また調べて
  • 家族と話し合って
  • さらに調べて
  • 先生と相談して
  • 自分が納得する方法を
  • 見つからなければさらに調べて
  • 最終的には自分で決める

これ以外「悪性腹膜中皮腫」の治療の選択方法について、私からお伝え出来る事が無くて、ごめんなさい。

でも心だけは「がんに飲み込まれないで欲しい」と伝えたい。

1回目の衝撃波は癌告知だ、

それになんとか堪えて欲しい。泣いても喚いてもいい、そんなの当たり前の感情だ。だって「予定にない大ごと」を投げつけられるのだ、冷静になんていられない。

息を吸えるよう心に少し隙間ができたら、はじめよう!自分の病気について調べ学ぶ事を。

戦うのか、共に歩くのか、それを決めるにしたって「病気を知る」ことから始めなければ、選ぶことはできない。

そして主治医にとことんまで聞くのだ。素っ気ないかも知れない、連れない態度かも知れない。でも怯んではダメ、相談相手は「主治医」が先だ。

そして、相談の内容は「自分の命」なのだ。

遠慮している時間はもったいない。

酷だけど…、治療について、病院について、セカオピは?

これら「情報」は調べた分だけ手には入る。でも「これ!」という「絶対に正解」という答えは存在しないと私は考えている。

私はまだ小さかった子供②を「普段通りのママ」としてハグしたかった。反抗期をむかえる子供①の心に「いつもの母」として寄り添いたかった。

だからこそ、私は「いつも通りの母」として「子供の側いる」選択をした。怖いけれど「そう決めた」のだ。

そして、今私が生きているのは「たまたま」であって「こうしたから生存している」という根拠を何一つ提示できない。

病気とはそういうものなのだろう。

誰かの取捨をなぞらえても「同様」の結果にはならいのだ、と。

未来の自分が後悔したとしても「仕方ない」あの時の私はそう「自分で決めた」から、と自身が諦めがつくよう、考えて調べて相談して、怖くても「自分で決める」以外ないのだ思っている。

だからこそ、今病気でない人も、わずかな不調でも病院へ行って欲しいし、健康診断を欠かさないで欲しいと願う。きっと病の発見は早いに越したことはないだろう。

癌患者として今日を生きる私へ

中皮腫に罹患したのが「家族」じゃなくてよかった

夫に「おかえり」と言える夜が今日も来てよかった

子供①とふざけあうLINEで笑った今日が嬉しかった

子供②とアイスクリームに悩む今日の午後が楽しかった

「今日を生きる」今日が夜を超える頃

やっぱり私はホッとする

大好きなんだ「家族」が

by中皮腫患者mochi