沼と震える心と電波鼠の夜

先が見えず不安を抱え
それでも時は待ってくれず進むしかない。
あなたは悪性腹膜中皮腫という希少癌に罹患しています、そう言われた日から初めの1年間は本当に怒涛の毎日で、短期間によくあれこれ詰め込みこなせたな、あまり覚えていない。メモが残っているから事実なのだろうけど。
Aを選ぶ事、Bを選ぶ事、どちらを選ぶか、そしてその後自分の体がどう変化していくのかが「全くわからない」上で決める。正解は誰にもわからない、けれど懸けるのは「命」というやり直しのきかない重いもの。
きっとこれから先も
生きている限り「決断」を迫られる事があるのだろう。そして過去の経験が活きるとは限らない。今、世の中に漂う「先行きの不透明感」と似ているかな…。
精一杯「今」を生きる。
日々を楽しく生きるよう心がけている、でも気分が落ちる日だってやっぱりある。
例えばPETの結果、先生は「うん、変わらないね」と映像を見せてくれる。けれど「中皮腫瘍が〇〇に集積が認められる」って書いてあるのが見えている。そうだよね、消えた訳じゃ無いもんなって思ってしまう。
「楽しく過ごす」事がもやは「目標」
であり「義務」のようになっている、そう思う日もある。ふわりと気楽に過ごせない事に寂しさを感じる時がね。
でも「生きている」事はありがたく、大切にすべきであり「知っていてよかった」であるのは本当。
だってあのまま婦人科に行かなければ、生きていなかったかもしれないのだから。(よろしければこちらもどうぞ↓)
でも私が癌細胞と一緒に生活
しているのも事実で、体内から発するズキっとした痛みなどに敏感になり、ヒヤリとする事もしばしばで。
覚悟を決めている、などとカッコよくありたいと思っているが実際「その時」がきたらどうだろう?と考えてしまう日もある。
だから「沼」は必要という話(笑)
昨日推しのバンド、キュウソネコカミの配信ライブ「電波鼠」があった。
ライブ前に「グッズ」販売が始まり物販に並ぶ気分を味わった。割れ物も安心して購入できたし、新グッズはやっぱりテンション上がるし、コインロッカー探さなくてよいのは便利。
トラブルで開始時刻にスタートとならなかったけれど、それが逆にライブが始まる前の「今か今か」と待つワクワクが心に蘇り一人テンション上がってビール飲んでました!キュウソのグラスにしようかと思ったけど、ここはライブハウス同様、缶で。
キュウソ推しになったのは、
2016年3月20日の幕張DMCC。子供②が誘ってくれ嬉しくて一緒に行ったライブ。ジャニーズ沼はかなり深くまで知っていたけれど、邦ロック、Jロック、と呼ばれるライブは初めてだった。
高校生の頃行っていたクラブチッタ川崎に再び行く未来が訪れるとはあの頃思わなかったなぁ。一緒に行った友は今は「村」通い、そう宝塚沼にどっしりと浸かっている(笑)。※2020年2月以前の話※
セイヤ(ё)さんの声にすっかりやられてしまったあの日、MCも楽しくて、フルスロットルで、とにかく「今私が欲しいパワー」がギュッとあのライブに詰まっていた。
気づいたら付き添いではなく
「がっつり楽しんでいた」もう沼発動確定案件ね(笑)。
帰りにBlu-ray予約し、赤盤青盤購入し家に帰り、まず発売されている全ての音源、映像をポチる。ビクターのサイトで過去のTシャツやグッズを買い漁る。
沼に生きる人間のサガなんですこれは、もはや習性?なるはやで集めたいんです(笑)。
そこから私の邦ロック沼の歴史が始まりました。うーん、楽しい。
ライブで「音を浴びて」
「音と一体」になるこの感動は、「忘れらんねえよ(柴田隆浩さん)」の名曲「この高鳴りをなんと呼ぶ」です!
好きは好きを呼び寄せるので、キュウソネコカミから対バンのバンド、キュウソの出るフェスに行くのならタイテを見て他のバンドの曲を知る、そうして好きが増えていく喜び。
はぁ、沼はこれだからやめられない。
バンドの個性も様々で、
曲のメッセージや感動の種類、心のどこに響くか、これもまた違ってそれがたまらなくいい。一気にのめり込むきっかけとなった幕張DMCC。
あの日の、GALAXY、何も無い休日、春になっても、泣きました。そしてファントムバイブレーションはどちゃくそ楽しくて、ハッピーポンコツなんて笑顔笑顔で終わりました。
とにかく圧倒的満足度がすごくて、音楽はいいなって改めて思った転機となった日でした。
だから昨日の電波鼠
画面を通しキュウソを聞けて泣けちゃいました。
子供②が、「楽しそうだったね笑」と。一人でお楽しみだったようです、私。「新曲あーりーがーとーーー」等々、小声の範囲を超えていたらしい…すみませぬ。
時々思い出す、新木場Coastの「ブルース」、あれは私の「心の御守り」、大切な光景だ。
心から溢れる様々な気持ち、諦め、やるせなさ、喜び、色んな私の感情とバチっと合った瞬間。なぜだかわからないけど救われた、と思った。
神々しく、尊く切なく、私の心にストレートにズドンと入ってきたセイヤ(ё)さんの歌詞と声。この光景を見ることができて私は幸せと心が震えた瞬間だった。
まだ配信期間中なので
「電波鼠」の感動は押さえておきますが、バンドマンはやっぱりカッコよく、キュウソネコカミはやっぱり熱くて楽しくて幸せな気持ちになる。
笑顔、笑顔、幸せ、笑顔、坊主、笑顔、笑顔、幸せ、笑顔、
である(笑)。
電波鼠!楽しい夜をありがとうございました。
キュウソネコカミ最高。
by中皮腫患者mochi
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