中皮の腫瘍部位をミカンに例える話

悪性腹膜中皮腫と卵巣嚢腫、
二つの手術を終え、抗がん剤をするかしないか、そして横隔膜に残った中皮腫を手術してくれる可能性について探していた事を先日思い出しました。
同病の方との話の中で、そうだった!と思い出したのです(笑)。すっかり忘れるほど時間が過ぎていたんですね。
入院中、再度横隔膜の腫瘍を取ってもらえないかと婦人科の先生に聞いたら「QOLが下がるからできない」と言われ、その後呼吸器科の先生も同様の返答だった、そう一連の「抗がん剤問題」だけではなく「残った横隔膜問題」も聞いたんだった、と。
横隔膜は呼吸をするのに必要な筋肉だから、と言われたから諦めたんだった。
中皮腫をよくミカンに例える
悪性腹膜中皮腫は腹膜を覆う中皮に癌が発生します。
臓器内に塊を作る癌のように臓器に発生した場合、腫瘍の発生している臓器の部分を取り除く手術が可能です。転移等が見られない場合、手術で取り切れれば経過観察となり、癌の種類によりますが、○年再発が見られない場合「寛解」となるようです。
中皮腫をミカンに例えるのですが、肺癌はミカン(人間)の皮を剥いた、房(臓器)の中の一房(肺)の実の中に出来る癌。ミカンの実の薄皮の部分(胸膜)にできるのが中皮腫という癌。
薄皮(胸膜)を剥がす。もしくは実(肺)と薄皮(胸膜)ごととる、という手術が可能ではある。しかし片肺で暮らしていく事になる。
心膜や腹膜の場合、実ごと取れる臓器は絶望的に無い。心臓を実ごと取ったら死んでしまう。発生した腫瘍の場所が私の場合は腹膜なので「悪性腹膜中皮腫」。
私は腹膜と横隔膜の中皮に
悪性腫瘍ができていると言う事。
私は手術で取り除いた、といっても腹膜を剥がしているわけではなく、あくまでも「膜の表面上目に見えた腫瘍のみ」切り取る、集積していた子宮・卵管・ダグラスこうは臓器摘出、という手術でした。
場所的に、横隔膜と胸膜と心膜はお隣さんですので、そちらに転移していないとも限らず、腹膜の中皮腫も7年前に開腹術で「目で見える」部分を切り取ったに過ぎず、再び増えている事は十分に考えられるのです。
上皮型、肉腫型、など
別れておりますが、中皮腫に限らず、基本どちらも進行のスピードが速い癌。
私は胃などの臓器に発生した固形癌ではないので、「取り除いた」事にはならず、状態的には「進行中」の癌患者です。
今後どのように体が変化していくのかわかりませんが、胸膜中皮腫になる可能性も十分考えられる、横隔膜の腫瘍という爆弾。
あの時、横隔膜の手術は
場合によっては骨を外すそうで大掛かりかつ、術後の回復、呼吸障害等、リスクを考えると「残して閉じる」が正解だった、そう2箇所の病院でのセカオピの時に返事をもらったのを思い出しました。
納得が行ったから忘れてたんだと思います。腹膜中皮腫という癌は、乱暴なたとえになりますが、腹膜播種の状態のようなものと諦めたのを思い出しましたよ。
例えば胃癌、固形癌なら胃を取る。胃という臓器を突き破り胃の外に出て腹膜内に散らばっているようなものと考えると、腫瘍のみを取り切ることは不可能だろうな、と素人の私でも理解できた記憶。
そして中皮腫は再発しやすい癌
ということ。たとえ剥離できたとしても再発するときは残念ながらするのである。抗がん剤もこれがお勧めだよ!というものがなく、中皮腫の中でも「腹膜」は年間800人いるかしら?みたいなレア度である故に「エビデンス」というものがない。
たまたま私はラッキーに8年目を生きているだけに過ぎない、ヒヤヒヤ具合。
積極的治療を行わない、
死ぬ時は具合が悪くなってから2ヶ月など珍しくない病気、だからこそ私は無治療を選択した。積極的治療(抗がん剤)の効果があるかないかはやらなければ分からない、そして早ければどちらにせよ2年と言われたから。
ならば確実に失う6週間(入院期間)を子供の側で一緒に過ごしたいと思ったから。
死ぬほど悩んで、葛藤し、
けれど相談相手はいない孤独な過去の夏。
母から口止めされたからというのも理由の一つであるが、一番は素人の私が現状健康な素人に聞いても「相手が困る」から。
だから相談するのは医師と決めていた、そして決定するのは自分のみと。私の生死に関わる問題を誰かと共有するのは残酷だと考えたから。
でもねこの間、同病の方と
話した時、ふふふ、不覚にも楽しいと思いました。「同じレアなら病気じゃないレアを引き当てたいよね」って笑えるのも同病だからだなって。
人と心で繋がる大切な温かさ。嬉しかった。
どうか今不調がないとしても、
僅かでも異変を感じたら病院へ行ってください。何もなければそれで安心しますし、私のように思わぬ大病が見つかる場合もあります。
蒸し暑い日が続きますね、気がつけば7月もあと少し、今年の時間の過ぎ方は特別な感じがします。
自分の心も体も、どうか大切に守ってあげてくださいね。
いつもご覧いただきありがとうございます。
by中皮腫患者mochi
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