ある日私はがん患者となった #1
- 2020.08.29
- ある日私はがん患者となった
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1】悪性腹膜中皮腫とわかるまで
発見は卵巣のう腫の手術中
きっかけは僅かな違和感
2012年1月、生理中に気がついた皮膚のカサつき。
左側の腰骨のうえあたりの親指くらいの範囲の皮膚が軽く引っ掻いた様な淡い赤みと、北風にさられてカサカサになった膝小僧のように乾燥していた。
生理の終わりに合わせ、カサついた部分が消えて元どおりの肌になったのが不思議だったので印象に残った。
翌月の生理の時も同じ箇所がカサつく
2月の生理、同じ場所に再びカサつきが出現するも、腹部の膨らみや、スカートがきつくなる等の体型の変化はなし。
痛みや痒さの無いカサついた小さな箇所
普段から、偏頭痛と生理痛で痛み止を服用していたためか、
痒みもなく、押しても痛くない。痣でもないし痒いわけでもなくただ皮膚の1箇所が生理の間だけ、乾燥してる、状態。
受診を勧められたから行った婦人科
不思議に思っていたある日、母が鼻から大量の出血をし救急搬送された。
母が自分の体験により、私のカサつきの原因が気になり、大きな病気だといけないから、と病院に受診して欲しいとお願いされたのが「悪性腹膜中皮腫」にたどり着く一歩目だった。
生理に関係があると思い婦人科を受診
近くの婦人科クリニックを受診
そこで卵巣のう腫と診断、のう胞がいつ破裂してもおかしくないサイズだから摘出したほうが良いと総合病院の紹介状を書いてもらった。
※この段階でも、下腹部の痛みやサイズの変化は無く、手術と言われてもピンとこない程にカサつき以外は体調の変化は無し。
卵巣のう腫の手術のため、総合病院を受診
総合病院での診断結果もクリニックでの診断と同様、摘出するのがベストな選択とのことで、I先生に執刀してもらうことが決まる。
(クリニックの先生が腹腔鏡術の上手と紹介してくれた先生)
2】摘出が必要な卵巣のう腫と診断
卵巣のう腫摘出、腹腔鏡手術が決まる
卵巣のう腫に種類がある事を知る
卵巣のう腫に、漿液性・粘液性・皮様性・チョコレート、のう腫の4種類ある事。
卵巣のう腫は無症状な場合が多いらしく、皮膚のカサつきという気がつくかどうかな僅かな変異で受診できてよかったと言われた。
悪性腫瘍だった場合、抗がん剤治療が必要
さらに、良性・境界型・悪性、の3種類の腫瘍のタイプがある事。
卵巣のう腫は良性がほとんで、稀に境界型、ごくごくまれに悪性があるとの事。
境界型と悪性だった場合は、抗がん剤治療が必要と知る。
腹腔鏡手術のメリット
傷口が小さく体に負担が少なく術後の回復が早いとのこと、あっという間に術日が決まる。
その後、開腹術も経験しているのでわかりますが、確かに腹腔鏡術は術後のケアも、痛みも、開腹術に比べ楽でした。
卵巣摘出のため腹腔鏡術をうける
腹腔内に米粒大の無数の腫瘍を発見
腹腔内に卵巣のう腫と別に、無数に散らばる腫瘍を発見。
卵巣のう腫は術前に病理組織をとって調べることが出来ないそうで、手術中に病理組織診断(術中迅速病理組織診断)をするそう。
その際に散らばる米粒大の腫瘍も場所を変え5箇所ほど切り取って病理組織診断に回した、
のちに悪性腹膜中皮腫とわかった米粒大の腫瘍
顔つきが悪いのでほぼ悪性の腫瘍だろうと思ったとのこと。
ですが確定するのは病理組織診断後、ですので私はその時点では卵巣のう腫の迅速診断は良性、確定した結果は退院後の診察時とのことで退院。
3】悪性腹膜中皮腫の告知
確定診断の結果と診察のため病院へ
悪性腹膜中皮腫という病名を知る
卵巣は皮様性のう腫、そして良性、傷口も問題ないとの事。
先生から腹腔内の写真を見せてもらった。
腹腔内に無数の米粒大のものは全て悪性腫瘍とのこと。
病理組織診断の結果、悪性腹膜中皮腫という希少がんが見つかったと聞いたのだ。そして診断したのは大学で中皮腫を研究していた人だからほぼ確定で間違いない。
中皮腫のとは病名に癌とつかない癌
悪性中皮腫とは悪性の腫瘍、つまりがんだと聞かされる。私の場合は部位が腹膜だから、悪性腹膜中皮腫(あくせい・ふくまく・ちゅうひしゅ)という病名になるらしい。
アスベストによる健康被害
アスベストが体に害を及ぼし病気になる、知識としては知っていたけれど、中皮腫という病名はこの日初めて聞いた。
中皮腫で検索すると、ほぼ胸膜中皮腫の情報、少ないけれど次に腹膜中皮腫が出てくる。でもネットに出ている情報は
- 予後が悪い
- 治療方法がない
- 効果の著しい抗がん剤がない
- エビデンスが少ない
- 5年生存率
と、先生がGoogle検索した結果の画面を見せてくれた。
中皮腫の治療を前提で行動を
見つかってよかったと気持ちを切り替えよう
自覚症状のない状況でたまたま見つかったケースだから、ネットの情報を鵜呑みにしないで、ベストを考えようと言われた。
数カ所のがん拠点病院を受診しよう
先生がテキパキとアドバイスをくれた。
- 中皮腫を診てくれる
- 手術を優先してくれる
- がん拠点病院
- 総合病院
この優先順位で数カ所のがん拠点含む病院で診察を申し込もうとね。
こうして私はがん患者となった
分岐点は 4月12日 20時
僕で協力できることは惜しまない。
不安なことや聞きたいことがあったら、すぐには返事できないかもしれなけれど、看護師に伝えてくれたら時間とる。
手術する方向で、まずはがん拠点病院の判断を仰ごう。
4】少ない手札の中でベストを選択するには
とにかく待っててはダメ自分が動く
がん患者となって知った事、自分で行動し病院を選ぶ事ができる。
受け身でいてはダメだという事。
病気について自分知る事から始めなくてはいけない、とわかった。
実感として一番伝えたいこと
とにかく健康診断を受けてほしいです。
私はカサつき以外、本当に無症状でした。あの日、婦人科へ行っていたから今の私が存在しているとしみじみ思っています。
どうか手遅れになるまえに病気の早期発見をし早期治療を心がけてほしいなと重います。「病気になってから」ではなくて、「病気になる前」に、病気の早期発見が大切だと思っております。

そして体の異変を感じた時は、大袈裟かな?と思わずに病院へ行ってほしいと切に願っております。
by中皮腫患者mochi
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