ある日私はがん患者となった #4

ある日私はがん患者となった #4
目次

1】悪性腹膜中皮腫とアスベスト(石綿)

自分に関係ないと思っていたアスベスト被害

頭痛と生理痛だけ、自分は健康だと思っていた

  • 20代血尿が出て十二指腸潰瘍になった
  • 出産前に子供の心拍が確認できず入院

胃にポリープがある以外、健康について不安を感じたことはなかった。

アスベスト暴露など想像すらつかなかった

ポカンとした、父親の仕事関連でもなく私も従事しておらず「なぜ?いつ?」

この疑問は今も未解決のまま。けれど中皮腫が体内にあるのは事実で、私はアスベスト暴露による中皮腫患者である。

アスベスト(石綿)は天然の鉱物繊維

建設資材以外にも様々な分野で使用

約3000種とも言われている。

  • 石綿とも呼ばれるのは綿状の性質があるから
  • 加工しやすく、熱などに強く安価

繊維の直径が髪の毛の1000分の1以下

目視できないほど細く、空気中にふわふわと浮遊するので、知らぬ間に吸い込み、それが体内の奥まで入り込むとトゲのように刺さり組織を傷つける。

やがて中皮という肺や腹腔等を覆う膜に腫瘍が出来る

私は腹膜の中皮に悪性の腫瘍があるので「悪性 腹膜 中皮腫(あくせい ふくまく ちゅうひしゅ)」という病名

1938年にドイツの新聞に「健康に害がある」と発表されたが、その後も使用は続く

日本では段階的に使用を規制し、2006年ようやく「全面禁止」

だがそれまでに1000万トンものアスベストが日本に輸入し使用されている

1970〜1980年代にはすでにアスベストの危険性は明らかになっており、国際的な規制の動きがあったにもかかわらず、日本は規制が遅れた。

吸い込んでから発症までの潜伏期間が長い

約20〜40年といわれている。

中皮細胞から発生する悪性腫瘍(がん)のほとんどが、アスベスト(石綿)の暴露と言われている。

つまり体内に吸い込むことにより起こる健康被害

2】石綿による健康被害である中皮腫

中皮腫患者の数は年々増え続けている

石綿の輸入量が増えた時期が1960年代、潜伏期間の40年を足した2000年代、死亡者数(患者数とも言える)が急激に増加している現実。(年間約2000人近く死亡している)

しかしピークはまだこれから先という怖さ

飛散性のアスベストは市販のマスクでは防げないほど細かな繊維。

日本国内でアスベストを使用した建物の解体ピークが2020〜2040年と予想されている。

アスベストを使用した建物を解体するには

専門の業者が解体を行わなければならない。

輸入と使用が規制されても、既存の建物等にアスベストは今も潜んでいる。

日本は地震が多い国

規定に沿って解体が必要な建物も、地震で崩れたらどうすることもできない。

地震による建物の崩壊で、アスベストが飛散し暴露する人が出ないためにも、アスベストの除去がより一層進むことを願っている。

一般的には大量に吸い込むと健康被害引き起こす

とされるが、大量に吸い込んだのだろうか?

私は吸い込んだ記憶もなければアスベストを扱う仕事に就いていないが中皮腫を発症し「悪性腹膜中皮腫」患者だ

だとしたらいつ?どこで?

かつてアスベストを扱う仕事に従事していた本人

そして、アスベストが付着したまま帰宅すれば家族も安全とは言えない怖さ。実際にアスベストを扱う工場付近に住んでいた人が発症している事実。

3】静かな時限爆弾と呼ばれている

アスベスト(石綿)健康被害

発症しても初期のうちは無症状で早期発見が難しく

サイレントキラーとも呼ばる。

健診で偶然発見されたり、別の手術で発見されるくらいしか初期での発見は困難。

しかし、自覚症状が出てから死へ至るまでのスピードは恐ろしく速い。

発見から死まで早ければ2ヶ月、そういう「がん」

そして患者数が増えているが、全体数は少ないので、中皮腫を診察した経験のある医師が少なく診察をお断りされる病院もある。

月単位や年単位通院、治療中にやっと中皮腫という病気の診断に至るケースも珍しくない。

現実は私より年齢の若い患者も増えている

アスベストが引き金になり「がん」になる可能性、それは知識として知っていた。

正直、私には縁のない病気だと思っていたが、女性も、若い患者もいることを知って驚いた。

アスベストを扱う職に従事ていた男性が発症するイメージを持っていたので。

4】アスベストが健康に害を及ぼす事

知ってはいたが治療について無知識だった

これほど治療法がないとは知らなかった

  • 治療の選択が少ない
  • 死までのスピードの速い
  • 恐ろしく予後が悪い
  • 中皮腫に効果の高い抗がん剤が存在しない

患者数が少なく、治療に関しての情報が驚くほど少ない。

だから私が9年目の患者として

「生きている」のは偶発的に良い方向へ転がっただけ

あの時、婦人科へ行っていなければ、今私はこの世に存在していただろうか?

無症状だったが、腹腔内には、悪性中皮腫がゴマをばら撒いたように広範囲に無数に散らばっていたのだから。

そして、横隔膜にまだ中皮腫は存在してる

だから私に完治は訪れない。

頼むから体内で大人しくしていてね、と願う以外、今の私にすべき治療が存在しない。癌細胞が体内にあるのは明らかなんだけど。

決して人ごとではなかったアスベスト被害

「まさか」は突然にやってきた。

明るい未来が来る事を願っている

除去作業が進みアスベストを使用した建物なくなる未来

そして新薬の開発が進み、奏功率の高い抗がん剤を使用できる未来。ある日突然「中皮腫」患者になっても、治療の選択肢が増える未来。

5】中皮腫という希少がん患者となって

やっぱり強く伝えたいのは早期発見

健康診断の大切さ

異変を感じたら病院を受診する大切さ。

一番大事なのは「普段の調子」がこのライン、と自分の体の調子を知っておくこと。

がんとわかったらすぐ行動する事

自分の身に起きた事実なのだ。何がベストかは、医師の判断を仰ぐまでわからない。だからすぐに行動を。

初診は1ヶ所の病院でなくていい

これは本当に、本当に、大事な事

私は1ヶ所だけ受診していたら、半年間抗がん剤治療をし、その後手術可能ならする、最短で9ヶ月待って手術したかも知れない。→よろしければ#2を

2ヶ所受診したから、即手術を「選ぶ事」が出来た。

主導権は患者にある

卵巣のう腫術の執刀医はそう言った

何所だって構わないのだと。

その中でベストと思った病院でお世話になればいい、と。

がん患者となることは嵐のような感情

苦しいし、感情の整理など初めは出来ないかも知れない。

けれど苦しい中でも、行動を忘れないで欲しい。病気の知識がなければ調べればいい。疑問に思ったら主治医に直接聞けばいい。

遠慮してないけない、自分の体のことだから

どの病院を選べば、どの治療法を選べば、

悩むけれど、私自身正解がどれかはわからない。

一番希望していたのは悪いものを体内から確実に取り除くため、手術をしてほしい事だった。

この想いが強かったから、同時に予約したことは、タイムロスにもならず結果的によかったという事。

これも振り返るから、9年目を生きているから、言える事なのかもしれない。

by中皮腫患者mochi

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